私たちの暮らす地域は、豊かな森林資源に恵まれています。近くの山にある木を使い、家づくりをすることは、けんちくや前長にとって、とても自然なことでもあります。住まい手が快適で健康に暮らすために、天然の木と天然の素材にこだわる。先人の知恵と工夫を継承しながら現代技術を取り入れ、美しく心地よい空間を追求し続ける。
伝統の、その先へ。
けんちくや前長だからこそできる、家づくりをご提案しています。
地元の材を使う
私たちは、遠くのブランド木材よりも近くの山の木を使うことを大切にしています。
この地域の木は、全国でもトップクラスの品質と強さを誇ります。地元の木を植えて、育て、採って、使う。
この地の豊かな資源を循環させ、次世代に残していくために、大切にしたい前長の思いです。
しなやかで、
美しい家をつくる
不揃いの木に向き合い、大工が墨を打ち、ノコギリやカンナ、ノミなどの道具を使って木を加工する方法を「手刻み(てきざみ)」、そして、それらを伝統工法で組み上げることを「木組み(きぐみ)」と言います。
木組みの家で使う木は、プレカット材のように均一である必要はありません。大切なのは木の使い方。職人の目利きによって、一本一本がその個性に相応しい役割が与えられ、おしくらまんじゅうのように押し合い・引き合いながら、家の構造としてしなやかに、美しく安定していきます。この無垢の木とそれを生かす職人の技こそ、けんちくや前長らしさであり、これからも継承して行きたい伝統技術です。
木で温熱環境を整える
私たちがつくる木組みの家は、木の力をとことん引き出す家です。だからこそ、普段見えない「断熱材」も、木を使いたい。木の持つ力を生かし、環境負荷の少ない「木質系断熱材」の採用は、私たちにとって必然の選択でもあります。
木の断熱材は、蓄熱性・耐久性・防音性に優れ、また、木ならではの透湿性・調湿性がそのまま活かされた“呼吸する”断熱材です。特に湿度の高い梅雨や蒸し暑い夏の時期には効果的。余分な湿気を吸収し、サラリと涼やかな室内環境を保つことができるので、これからますます暑くなる夏の対策に最適な断熱材だと言えます。
住まい手の暮らしのために。自然素材と木質系断熱が織りなす木組みの家で、身体も心も穏やかに過ごしていただきたいと願っています。
木が好きだから、
木で解く
けんちくや前長では、先代がいつも口にしていた「一物全体」「身土不二」という言葉を今も大切にしています。これは「命あるものを無駄なく、丸ごと使い切る。」「人と土(環境)は一体であり、地のものを地で使う。」を意味しています。
私たちの地域は、昔から木が沢山あり、大工も多い地域でした。そして、木を生かす知恵と技術を持っていました。その伝統を大切にして、人々を幸せにするような仕事をしたい。先代からこの変わらぬ志で、今も一軒一軒、丁寧に家づくりをしています。
木は家づくり以外にも、新たなものづくりや環境再生など、まだまだ可能性があります。これからも地元の大工工務店として、この地の循環に貢献していきたい。この思いを胸に、日々技術を磨き続けています。