KENCHIKUYA MAECHOU

木で解く

私たちの暮らす地域は、豊かな森林資源に恵まれています。

近くの山にある木を使い、家づくりをすることは、けんちくや前長にとって、
とても自然なことでもあります。

住まい手が快適で健康に暮らすために、天然の木と天然の素材にこだわる。

先人の知恵と工夫を継承しながら現代技術を取り入れ、美しく心地よい空間を追求し続ける。

伝統のその先へ。

けんちくや前長だからこそできる、家づくりをご提案しています。


地元の材を使う

私たちは、遠くのブランド木材よりも近くの山の木を使うことを大切にしています。
この地域の木は、全国でもトップクラスの品質と強さを誇ります。

一本一本の木の個性に対応できる知識と技術があれば、どんな木でも最適な場所で無駄なく使うことができます。

地元の木を植えて、育て、採って、使う。
この地の豊かな資源を循環させ、次世代に残していくために、大切にしたい前長の思いです。


しなやかで、美しい家をつくる

不揃いの木に向き合い、大工が墨を打ち、ノコギリやカンナ、ノミなどの道具を使って木を加工する方法を「手刻み(てきざみ)」そして、それらを伝統工法で組み上げることを「木組み(きぐみ)」と言います。

「木組み」で組んだ木は、おしくらまんじゅうのようにお互いを押し合いながら、しなやかに安定していきます。


大切なのは木の使い方。
使う木はプレカット材のように均一である必要はなく、不揃いの木で構わないのです。

住まい手に木組みの家の真価を感じていただけるために、けんちくや前長が大切にし、これからも継承して行きたい大工の伝統技術です。

木の特性を生かす、新しい耐力壁パネル

2015年、当社が独自に開発した「玄」パネル、「蔵」パネルが国土交通大臣認定を取得しました。全て無垢の木でつくられたパネルです。

一般的な木造建築は「筋交い(すじかい)と金物」で強度を確保しますが、このパネルは木の特性を生かし、木のみで強い耐震性を確保することができます。

私たちのつくる家では、壁や屋根にもこのパネルを使いますが、大量の断熱材をしっかり受け止め、なおかつパネルの間から湿気を透過させるので、家の見えない箇所の安全を保つために欠かせない素材となりました。

金物を使わないということは、木組みの美しさをそのまま表現することもできます。

今や私たちの仕事では無くてはならないものですが、昨今では、設計事務所や同業の工務店さんでもご使用いただく案件も増えてきました。

「地元の材を使い、木の特性を生かして、強く・しなやかで、見せても美しいものをつくりたい。」

私たちは日々、木で、新しいものづくりに挑戦しています。

△「玄」パネル:壁倍率3.0倍相当。告示の面格子壁の3-5倍

△「蔵」パネル:壁倍率2.5倍相当。落とし込み板壁の4倍以上

木で温熱環境を整える

木組みの家は、夏暑く、冬寒い?

確かに素晴らしい伝統工法の木組みの家でも、構造上、断熱材をたくさん取り込むことは難しいのは事実です。

しかし、私たちは優れた伝統工法を選び・残しながら、独自の技術でしっかり断熱できる家づくりをしています。

木を理解しているからこそ実現できる、私たちの腕の見せ所。

そして、「やっぱり木組みの家なんだから、木の断熱材を使いたい。」

化学物質を含まず、環境負荷の少ない「木質系断熱材」の採用は、私たちにとって必然の選択でもあります。

蓄熱性・透湿性の高い木の断熱材は、冬の寒さ対策は当然ながら、梅雨の蒸し暑い不快感を大きく抑えてくれます。特に、これからますます暑くなる夏の対策に最適な断熱材だと言えます。

住まい手の暮らしのために。

自然素材と木質系断熱が織りなす、これからの木組みの家で、身体も心も穏やかに過ごしていただきたいと願っています。


木が好きだから、木で解く。

けんちくや前長では、先代がいつも口にしていた「一物全体」「身土不二」という言葉を今も大切にしています。

これは「命あるものを無駄なく、丸ごと使い切る。」「人と土(環境)は一体であり、地のものを地で使う。」を意味しています。

私たちの地域には木が沢山ある。
そして私たちは木が好きで、技術がある。
ならば、それを活かしきって、人々を幸せにするような仕事をしたい。

そんな思いで、一軒一軒、丁寧に家づくりをしています。

木は家づくり以外にも、新たなものづくりや環境再生など、まだまだ可能性があります。これからも、木でこの地の循環を育んで行きたい。

その思いを胸に、日々技術を磨き続けています。

代表取締役 前澤昌弘