2008年10月12日
削り華
こんばんは、大工の前沢です。
この週末、新潟県長岡市 与板 に行ってきました
鉋(かんな)の技術を競うイベントを見学に。
与板は、来年のNHK大河ドラマの『天地人』の主人公、直江兼続ゆかりの地で、PRののぼり旗が町のあちらこちらに立っていて賑やかでした。
さて、このイベント・・・
前々から知っていたので、一度は見たいと思っていたところ
“3〜5ミクロン”という薄い鉋くず
(ここの人達は、「削り華」と呼ぶそうです。所以は“くず”と呼ぶにはふさわしくないほど薄く、美しいものだから。)
それを出す技術はどんなものなのか・・・?
興味津々で高速を乗り継いでいざ、与板へ!!
高速を走ること約3時間強 中之島見附I.C. に到着。
「与板は右ですか?左ですか?」と料金所のおじさんに聞いたら、
「そこを左。次を右。ずーっと走って橋を渡ったら左!」そんなゆるーい案内でも、行けてしまうから、田舎道は最高!
会場に着くと、全国から集まった腕利きの大工や木工の匠。
鉋好きのおじさん、鍛冶屋さんなど、たくさんの人で盛り上がっていました。
若い人が多かったせいもあるかと思います。
「百聞は一見にしかず」とはまさにその通り!
正直、すごい技術でした。
鉋は、鉋を作るまでが仕事。 削るのは素人さんでもできるんです。
力は要りません。
かる〜く、押さえて引くだけで、フワフワ〜っと削り華が出るって訳です。
ただ、削る材料が節の無いきれいな目のものだったので、
大きな節が、ゴロゴロした杉の仕上げは向かないのかも?と、感じました。
若いお兄ちゃんが薄ーい削りをしていて、ショックを受けましたが、
年寄りの匠の技術も盗めたし、発見も多く、自分の位置も分かったので、良い旅でした。
来年も都合がつけば行きたいと考えています。
by 前昌