けんちくや前長

2018年3月15日

建て方レポートin佐野 1

皆さん、こんにちは。

杉花粉が飛び始めて、花粉症の方には辛い季節ですね。

「いつも杉に触れてその香りを嗅いで、

杉と仲良くしていると花粉症にならないんじゃないか?

だから私(大工)は花粉症にならない!」と

根拠のない自信、前長大工の前昌です。(笑)

 

 

さてさて。

13、14日と佐野で建て方がありました。

 

天気にも恵まれ、建て方日和の二日間。

今回は現場担当のミヤさんが撮影してくれた写真を見ながら、

建て方の二日間をレポートしていこう思います。

 

朝の様子。

建て方の日の1週間前くらいから基礎の上に土台を敷いたり、

柱や梁の構造材を運び入れるといった準備をして、この日を迎えます。

先行足場も設置されて、いよいよ!という感じです。

 

今回の現場は敷地の都合もあって、構造材全て土台の上に載っています。

梱包を解いてから建てるので、段取り(作業の順番)を考えておかねばなりません。

担当した棟梁は30代半ばですが、安定感があり、しっかりとした仕事をしてくれます。

 

番付(図面横にい、ろ、は・・・。縦に一、二、三・・・と碁盤の目のように区切り、

柱、梁の位置を表す)に合わせて柱を建て、梁を渡していきます。

通し柱、梁はクレーンで吊り上げます。

 

まず中心部分に見える「地梁」を組んでいきます。

地梁は柱が比較的連立して建つ、桁方向に通すことが多いです。

 

地梁に大梁をかけたところ。

渡り腮(あご)という伝統的な木組みの技術です。

 

地梁は家の「背骨」のような存在で、出来る限り同じ寸法でつないでいきます。

 

通常は6尺ピッチに整然と大梁を渡していきます。

 

シンプルで無理のない、美しい架構を構成することが、大切なことだと考えています。

 

5人の大工で通し柱にホゾ差す梁を取り付けていますね。

ここは難所なんです(苦笑)、梁をギシギシいわせながら広げて組んでいきます。

 

桁、小梁を組んで、

 

大梁に「繋ぎ」を渡し、3尺×6尺のマスに蔵パネルを落とし込みます。

 

先日紹介した、蔵パネルの施工が完了。

安全性を高めて2階、屋根の建て方へと進みます。

 

 

つづく

 

 

前昌