けんちくや前長

2009年5月12日

先頃、NHKの番組で紹介された事もあり、
群馬の藤岡瓦をご存じの方もいるかと思います

前長では宇都宮に建てた施主さまの支給品で、
藤岡瓦のタイルを玄関に敷いたことも

今回は、施主のお父さんのお知り合いの
江戸時代から続く、佐野市の瓦製造店を見学させてもらいました

「土の狂いを把握して形成しないといけない難しい仕事」と、
瓦について説明してくれたご主人

 昔の工場もそのまま残っていて、ここにタタラがあって、土を練って、形成して・・・
当然ながら、貫工法で、小舞に土壁、
曲った梁桁材は、タタラの煙にいぶされて黒く光り

なんとも味のある雰囲気


大量生産品と違い、人間の加減が仕上がりに大きく左右する、
まさに職人の仕事 
息子さんは瓦葺きの職人とのことで、
「じゃー将来は、自分で作って、自分で葺けるんですか?」
と、尋ねると
「とても、2足のワラジでは務まる仕事じゃないねぇ」
と笑顔の答えが返ってきました

職人としての誇りと、今まで続いてきた物が途絶えてしまうことのやるせなさと、
いろいろな感情が詰まった笑顔だったように感じました

現場に屋根が葺かれるのが楽しみです。

by 前香