けんちくや前長

2013年2月26日

外部に木を使うということ

2013.2.26

皆さん、こんばんは。

明後日からの建て方(棟梁黒崎)が天候に恵まれますよう、安全に上棟出来ますよう一心に願う、
前長大工の前昌です。
スタッフ一同、建て方前はいつも同じ気持ちです。。

先日、宇都宮市のTさんの御宅に行ってきました。

お引渡しをして1年半ほど経ち、お庭や外構も整うと、また印象が変わり落ち着いた雰囲気になりますよね。
今回はサッシ周りの外壁材のクラック補修の件でお邪魔しました。


↑こちらは南側。
濡縁(1F)、ベランダ(2F)とも出幅は1200mmあります。
ベランダ(2F)は屋根のすぐ下なので雨に当たることはほとんどありませんが、濡縁(1F)は文字通り雨に濡れるため、色がくすんできました。
「木が腐ってしまうのでは??」と思う方もいるかもしれませんね。(^ ^)
でも何の心配もいりません、この変色は表面だけのものなのです。もし仮にカンナで1~2mmほど削ってしまえばまた元の色が現れます。
築12年になるモデルハウスの濡縁は黒くなってきたので、ゴシゴシとタワシやブラシなどで洗ってみたことがあります。
表面の汚れが落ちて比較的綺麗になりました、木目の柔らかい所が取れて、硬い木目が浮き出てくるので。乾いたらオイル仕上げをしてあげると艶っぽくなり、また表情が変わりますよ。

自然界に永久なモノなどないはずです。

腐りにくい木の芯材を使っていますが、それでもいづれ朽ちるはずです。
そうは言っても、プロならば少しでも長持ちさせる工夫と知恵は必要だと思います。

水切れを良くしたり、余計な切込みをしない(そこに水が溜まり、腐り易い環境になるから)こと。
腐り易い柱の根元には「下駄」をはかせる、(木のパッキンを挟む。←パッキンが腐れば容易に取替え可能。)
または自然石にてヒカリつけ。←『大工のい・ろ・は』内の『ヒカル』をご覧下さい。

もし20年.30年後に濡縁だけを補修する場合でも、
本体とは干渉しないように、
出来る限り補修し易いように造ること。

それは「何十年後の仕事を読む」ということに繋がるかもしれませんね。

いつも応援ありがとうございます。

前昌