KENCHIKUYA MAECHOU
現代民家 素足の家って?

現代民家素足の家って?

けんちくや前長が提案する、現代民家素足の家とは、現代の暮らしにマッチする設備や間取りを備え、地域の自然からなる素材を使って職人が建てる、循環型の住まいです。

ここでは、現代民家を構成する要素を3つに分けて紹介していきます。

①木組みの技術

②設計の工夫

③環境の事・素材の事

 
 

①伝統的な大工技術「木組み」の技

美しい無垢材を、真壁で魅せる家づくりは、日本の文化です。そこには古来より脈々と受け継がれてきた知恵と職人の技があります。部材をどこに、どの向きに使うのか、仕口(しくち)・継ぎ手(つぎて)といった接合部をどう使い、どう加工するのか。そういった伝統的な技術や知恵を活かし、無垢の木材を金物などに頼らず、木だけで組み上げていく手法を「木組み」といいます。

「木組み」を用いて1棟分の構造材を加工するために、大工棟梁は2か月以上の作業を必要とします。現代ではプレカットという機械加工が主流になっている中、なぜそのように時間をかける必要があるのでしょうか?

一つは、「近くの山の木や素材で、地元の職人が建てる家」は、輸送コストなどの環境負荷も少なく、地域経済を助け、素材も同じ環境で使われる事でストレス無く長持ちする家になる。という考えから。

一つは、木組みの家の構造材は土台などのように見えなくなってしまう部分もありますが、柱や梁・桁など、完成時に見える形で仕上げる事で、ダイナミックで美しい住空間につながります。部材の加工方法や仕上げ、魅せ方までを総合的に考え、丁寧に扱わなくてはならないこの仕事は、やっぱり知識と経験のある大工棟梁による手仕事だからこそといえます。

けんちくや前長では、このような大工技術を活かして、耐震壁を2つ開発しました。

リンク→ 大臣認定を取得いたしました。

 

②設計の工夫

人生の80%以上の時間を室内で過ごす私達にとって、住空間は第3の皮膚といわれるように、とても身近な存在です。その空間こそ、心地よく、安心して健康的に過ごすことが出来る居場所であり、建築時から解体時まで環境負荷の少ない家であってほしい。例えば爽やかな日は上手に風を取り込み、夏の暑い日差しは深い軒で遮り、冬の寒い日は優しい日差しを取り込むことで、設備に頼りきりにならず、快適に過ごせるように。

木組みの家には、これまで長い間、その土地で磨かれてきた用の美、不変のデザインがあります。木組みの構造や、深い軒、4寸勾配の切妻屋根などがそれにあたります。それをベースに、現代の生活動線や、使い勝手を考慮し、設備品をバランス良く取り入れつつも、昔ながらの土間や、畳の間など、生活が楽しくなる空間も大切にして。プライベートな空間でありながら、自然環境や、コミュニティと穏やかに溶け合うような、心地よい空間を設計していきます。

 

 

③環境のこと、素材の事

栃木県は、有数のスギ・ヒノキの産地であり、戦後植林された木々が、構造材を製材するのに十分な大きさに生長し、伐り時を迎えています。野菜も生長したら、美味しく食べられるタイミングで収穫するのと同じように、山の木も、使うために適したサイズで伐採し、また植えて育てて、使うという循環利用が必要です。水源、光合成による酸素の供給、土砂災害の防止、生物多様性、など、森林にはとても多くの役割があり、それを果たす為には適度な管理が欠かせないからです。

けんちくや前長では、栃木県東部(八溝地区)のスギや、栃木県西部(鹿沼地区・みかも地区)のスギ・ヒノキを主に使用しています。柱・梁・桁・土台・床板・壁板・天井板・建具材・家具材に至るまで、とちぎの木を使用しています。

さらに、20194月には、パッシブハウスジャパンにも入会。これまでの家づくりへの思いをベースに、今まで以上に、環境や住まい手の事を考えた家づくりへと進化していきます。

技術と共に、地球も未来の子供たちに。